本記事は、ピアラベンチャーズ・中社長が出演したトータルブランディングパートナーの株式会社フラクタが運営する「The DtoC Brand Explorers:POLYMATH」というYouTube番組を元に構成されました。ぜひ記事と共に動画も合わせてご覧いただけたら幸いです。
河野:皆さん、こんばんは。本日はD2Cブランドが求める「資金だけではない」コミットというテーマで、YouTubeで配信しており、ピアラベンチャーズ代表の中さんにお話をうかがっていきたいと思います。
それではピアラベンチャーズ中さん、本日はよろしくお願いします。
中:よろしくお願いします。
河野:早速ですが、自己紹介をお願いできますでしょうか?
中:ピアラベンチャーズの中と申します。ピアラベンチャーズはピアラの100%子会社という形で昨年の11月に設立しまして、ファンドの運営をGPとして行うというのがメインの事業となっています。
私が代表を務めていて、親会社ピアラの代表である飛鳥が役員、CFOの下川が同じく役員として参画しています。今回は番組にVCとして登場していますが、投資案件は未だない出来立てホヤホヤのVCなのでお手柔らかにお願いします。
河野:ありがとうございます。
まず初めに質問ですが、なぜ投資側に回ろうと思ったんですか?
中:そうですね。やりたかったというのもありますが、やりたいと思っていた時にピアラが誘ってくれたというのが一番のきっかけです。僕は元々インタースペースというアフィリエイトのASPをやっている会社にいました。3
年ほど働いた後に会社がタイに進出し、その時に責任者として事業を行って、そのあとも新規事業開発担当みたいになって子会社の社長とかもやったりしました。
そういうのをやっていると起業家と会う機会も多かったのですが、不思議なもので熱量とか負けている気はしないんですけど、リスクをとっている感じとか会社で新規事業をやっている人とは違う部分が多くて、そういう部分がすごい面白いとは思っていました。そういう部分も投資側に回ろうと思った大きなきっかけですね。
河野:じゃあ前職の時代から起業家とかと直接会う機会が多くて、そういう思いが生まれてきてっていう感じですか?
中:大体そんな感じですが、もうちょっとテクニカルな話になると、わたしはもともと広告系の会社にいたんですが、最近広告系の会社が投資を活発にやっているんですね。
サイバーエージェントさんだったり、オプト さん、ユナイテッドさんなんかは、特に積極的に投資も行っていて、広告事業だけでなく、他の事業もやっていたりして、広告会社が投資部門を持っているだけで事業の幅が広がるのでいいなとは思っていました。
河野:わたしも投資とかやってみたいと思う一方で、めちゃめちゃ大変そうだなって思うんですね。本当にそこの会社に投資していいのかとか、投資検討も含めて大変だなと思っています。
中:その通りだと思います。でも、わたしは別のハードルのほうも大きいと思っていて、投資とかやっている人って投資銀行とか証券会社出身の人が多いじゃないですか。広告出身の人とかがやっていいのかなとかは思ってましたね。
河野:どうしても畑違いみたいな感じはしちゃいますよね。
中:本当にそうで、でも割と広告やっていてよかったと思うのは、広告側として提携させていただく会社の中で色々な業種のお客様が来るのですが、求めている要求も違っていたりして、一歩引いて色々な業種を見られたのはすごくいい経験でした。
インタースペースにいた頃に、子会社の代表をやっている時には、財務的な部分もみたりして経営者と同じ目線で話せたので、振り返ると「経験として生きるものが結構あったなあ~」と思いますね。
河野:ありがとうございます。中さんのこともよく知れたところで、今日は根掘り葉掘り質問をしていきたいと思います。
早速、今日のタイトルは『D2Cブランドが求める「資金だけではない」コミットとは』というようなタイトルをつけていますが、実際これから投資をしていく中で気を付けていることはありますか?
中:そうですね~、色々あるんですけど比較的インバウンドでピッチしていただく時に気を付けているのが領域違いだったら事前にお断りしたり、投資検討した後になぜ投資に至らなかったのかをきちんと説明することは心がけています。
前職で広告代理店にピッチとかしてもフィードバックをくれなかったり、その後連絡がないとかよりは、フィードバックしてくれて成約に至らなくても「駄目だったわー」とかでも連絡してくれる人のほうが一緒に仕事したいと思えるので気を付けています。
河野:話をするっていうのは互いの信頼もそうですし、そのあとにも繋がりますよね。
中:そうです、そうです!結構世界が狭いというか、狭い世間の業種なので「あいつ話したけどレスくれないし、リマインドしたら駄目だったって言われた」みたいなっていうのはリスクが高いです。理想論としてこうしたほうがいいというだけでなく、実際のリスクもあることなので気を付けています。
河野:まあ、自分がされて嫌なことはしないっていう。
中:そうです。逆にD2Cブランドだから気を付けていることはあまりないですが、D2Cブランドがよく言われる「他と何が違うの?」とか「なんでこれやるの?」とか、もうあるじゃん論みたいなのは言わないようにしていますね。
ブランドの多くが想いみたいなものがあってやっているので、他があるのにやっているっていうのはそれだけ強い思いがあってやっていることだとも思うんですよ。もちろん競合について聞くこともありますが、先行している大手がいるからみたいな話はしないようにしています。
河野:それはブランドからしたら嬉しいことだと思います。プロダクトだけ見て「あるじゃん」って言われても話が終わっちゃうので、そういうコミュニケーションが重要だなって思います。
これはブランド側の視点ですが、投資家の方にちゃんと説明するっていうのもすごいコミュニケーション能力が必要で、スタートアップのピッチのやり方とかも参考になるんじゃないかなって思っていました。
中:そういえば逆に僕が河野さんに聞きたいことがあって、河野さんのクライアントでD2Cのブランドが多いじゃないですか。投資を受けたことをきっかけに変わっていく、成長していくことを感じることってありますか?
河野:ありますね。逆境を乗り越えた時は特に感じます。僕自身もそうなんですけど、キャッシュフローとか資金繰りの話とかぶっちゃけないほうがいいじゃないですか。
中:わかります。僕は子会社でやっていて、あまりそういうのがない環境でやっていてよかったなと思っていますね。
河野:でも、子会社でやっていくと資金繰りとかはいいですけど、ステークホルダーがいっぱいいるからバランスとるのは大変だったりしませんか?
中:インタースペースでやっていたときも、大量のお金を使うとかがなければ自由にやれてたので、あんまりそういうのはなかったですね。
河野:すごい裁量権ですね。流石っていう感じです。
中:特に海外いるときなんかは、日本人が僕だけなので、日本側は週次で報告受けるだけで正しい意思決定できないからやってよ、みたいな感じでした。
河野:裁量の任せ方が凄いですね。でも難しいのは裁量持たせて「さあ、やろう」ってやれる人と、制約の中で力を発揮するタイプとか色々な人がいることですよね。
中:それはそうですね。
河野:ブランドの経営者がどういうタイプかによって対応が変わるので難しいんですね。
中:同じような問題として、試練が訪れても乗り切った後にすり減る人と磨かれていく人がいて、そこの違いとかも面白いと思います。
河野:そうですね、なんかその辺のメンタリングをやったりもして、いい方向に行けばいいですけど、削られたりする人はもったいなかったりしますね。そういう時にはフォローしますが、D2Cブランド側からメンタリングを求められたりもするんですよ。
中:分かる気がするなー。河野さんと話していると安心しますもん。
河野:(笑)僕は長くはやってるのでその経験を生かして、アドバイスとかメンタリングしてます。というか次の質問にも関係あるんですが、投資先からそこら辺のメンタリングは求められていると思いますか?
中:それでいうと、うちの場合は親会社がブランドに寄り添って伸ばしている会社なので、もちろん資金面を求められていますが、マーケティング支援とかも含めて割とがっつり支援することが求められていると考えています。
割といろんなVCがハンズオン支援とかすると思うんですが、うちでいうとマーケティング支援だとかは生の情報を届けられるし、積み上げた知見からもお話しできるっていう強みはあります。
河野:そうですよね、僕もそこら辺の話聞きたいですもん。
中:最初の話にもかかわってくるんですけど、D2Cブランドの起業家ってほぼ24時間その領域に張り付いてる。だからその領域に関してはめちゃくちゃ詳しくて、ユーザーに対して届ける体験だとかをずっと考えてすごいものを生み出しそうなのに、逆にそこから一歩離れた場所ではすごい弱い人もいたりするんですね。
でも、最近では逆にそういう人がいいなと思ってきていて、アンバランスな人のほうが強み同士組み合わせられるので、結果的にいいんじゃないかなと思っています。うちでいえば、マーケティング全然知らないけどすごいブランドについて凄い人がいれば、うちがマーケティングを担当して、結果的に成功みたいな形にもできるわけです。
河野:VC側も提供できるのはこれです、ブランド側も求めているのはこれです、っていうマッチがないと結局双方幸せにはならないですよね。 特に今だといろんな会社が投資始めていますけど、求められているのはお金だけじゃないですよね。
中:本当にそうですね。逆にお金があるから出資ができますだけじゃなくて、その先の支援がすごく見られているっていう感じはします。日本はリスクマネーが少ないよねって言われているけど、ここ数年では増えていますよね。
なので最近では資金調達自体の難易度は下がっていて、逆にこちら側が素敵な起業家の人に投資させていただくっていう感じになるので、選ばれている感じはありますね。
河野:そういう意味では、理想的なというかこういうブランドさんがいたら投資したい、コメントしたいっていうブランドさんはどういうものがありますか?
中:逆算はしたことなかったですね。ポエム的な感じになりますが、誰かが幸せになればいいとは思います。いわゆるマス商品って物が売れるっていう前提で、誰かのニーズを満たしたり問題解決するためのものではないです。
一方でD2Cブランドって起業家の方が悩んでいたりすることが多くて、それを解決するためのもので生まれ方自体がパーソナルに結びついていて、そういうものには僕も共感しやすいです。
河野:まさしくD2Cブランドらしい、共感するっていう。
中:シンプルに機能性を満たしてくれて、コスパのいい商品がいいっていったらユニクロに勝てないと思うんですよ。だからパーソナルな事情から生まれたものっていうのは感情移入できますね。アメリカのWarby Parker (ワービーパーカー)の学生たちが、お金がなくてメガネが買えないっていうストーリーはとてもいいと思います
河野:ああいうパーソナルな課題の解決っていうのがブランドの始まりだったりしますよね。
中:逆にそういうのがないとつらいですよね。事業って常にうまくいくわけではなくて、そういう時に原点まで戻ると修正が効くんですが、最初に方向性が決まっているっていうのは重要なことだと思います。
河野:正直これはD2Cだけでなくて、全てのビジネスに通じることで「あれ何のためにやっているんだっけ」っていうのに立ち返る場所とか考えがあるのはいいですよね。
中:後で振り返ったときにいい思い出だと思えるのってつらい時なんですよね。上手くいっているときは上手くいっているのが楽しいだけで、あの時よかったよねっていうのはやっぱりつらい時です。
河野:貴重なお話ありがとうございます。ここで話が変わって、最近ゲスト招いて色々な話を伺っているんですが、聞いてばっかりだと申し訳なくて僕がお話出来ることがあれば話すんですが、何か聞きたいことってありますか?
中:フラクタってお客さんの要望に応える幅が広いじゃないですか。通常だとマーケティングやブランディングのお手伝いをするっていうのが軸だと思うんですが、困ったお願いとかってありますか?
河野:あー、ありますねえ。全部任されるっていうか「あとはお願いします」って言われちゃうと困りますね。
僕らの根底にブランドは当事者のものっていうのがあって、僕らに丸投げっていうと根底が揺らいでしまうので、そうすると「出来なくはないけどする意味あるの」っていう感じになります。
中:納品が仕事になるっていうか、自分たちが自動販売機になるのが嫌っていうことですよね。お金入れれば出てくるとかそういうのじゃないってことですよね。
河野:そういうのはあって、僕らがずっとそばにいるんじゃなくて僕らがいなくても自走してほしい。困った時に相談してくれるのはいいですが、自分たちでやる気がないっていうと厳しいですね。
中:困ったなというか、関係性としてそういうのが好きじゃないってことでしょうね。
河野:それもありますし、僕たちって10年後の世界がすごい気になるんですよね。少し先だけならこの仕事やってないしって思ったりするんですよね。こういう世界になってほしい、だからこそブランドさん支援するのが重要だと思っているので、僕らが一方的にブランドを支援するだけだと、ブランドビジネスとして全体底上げや人材育成を考えると駄目ですね。
中:先を考えるとそうですよね。 でも、急成長のブランドって人手不足じゃないですか。ブランドに限らずベンチャー全体でそういう風潮ですけど、足りているっていうのが成長止まっているってことなんで、人手足りてる感はないほうがいいと思うんです。
人が足りないっていう中で、フラクタに頼むっていうのはそこの分野を任せたいっていう部分があるので、しょうがない部分もあるんじゃないかなって思いますけどね。
河野:僕たちってロケットに例えることが多くって、宇宙空間に行くためには凄いエネルギーが必要じゃないですか。僕たちの役割ってそのエネルギーだと思っていて、大気圏外まで行けば自走して欲しい。僕たちの役割は宇宙に行くまでだと思っているんですね。
中:ロケットの例え、凄い良いですね。でもたぶんフラクタは、ブランドをそこまで育てて切り離されたら、別の問題が出てきて別の問題が出てきてそっちも相談されるみたいなこともあるんですか?
河野:あるし、そうなったら僕らも新しい問題で成長出来るので嬉しいですね。僕たちはロケットで切り離されるからこそ次に向かえると思っていて、たまに「切り離されていいの?」って聞かれるんですが、むしろプラスだと考えています。
中:どうせ次に困ること出るでしょって感じですよね 。
河野:困ることが出るぐらいだと市場全体が伸びているってことなんでいいことだと思ってます。
中:僕はいま投資側として仕事していますが、元々そっち側の仕事が多かったので、徐々に切り離されてお悩みがどんどん変わっていった時に、相談したけどやったことないよねって言われたときに、経験のある会社に任せようじゃなくて、今まで一緒にやってきたからまた一緒にやろうって言ってくれると嬉しいですね
河野:それは嬉しいですね。
中:そうですよね、そういう関係性を築けていけたらいいですよね
河野:次の質問に移りますが、D2Cブランドの今後どうなっていくのかについてどう考えていますか?
中:最近思うのは、ブランドが多すぎる問題はあるなって思っています。増えすぎるものって淘汰が始まるじゃないですか。もうちょっとブランドは増えるけど、淘汰がそろそろ始まると思います。
根本としてプラットフォーム的なビジネスと違うので、いわゆるウィナーテイクスオールみたいな勝者総取りではなくて、比較的大手がある程度残って、ニッチが要所要所で良く残る感じになると思います。最近うちで手掛けることが多いスキンケア含めた美容関係やサプリ、栄養ドリンクとかが増えているんですけど、違うところも出てくると思っていて、実際出てきていますよね。
河野:いまコメントで『メディアのD2Cブランドはあり得ますか』という質問が来たんですが、いかがでしょうか?
中:やりたいですよね。
河野:色々なものが出てくる中で事業の境界線っていうのが曖昧になってきていると思うんですね。だからメディアっていうのはありなんじゃないでしょうか?
中:さっきまで人が幸せなるみたいな話をしていたところから、こういう話をするのあれなんですけどメディアブランドのD2Cってメディアのファンに売ると、獲得コストが限りなく下がるんでそういう経済性でいうとすごくありだと思います。
河野:逆にそういう経済性では回りますが、スケールしなくないですか?
中:それも悩みっちゃ悩みですね。そこでたぶん、メディアのブランドを使えばいいんじゃないかと思います。このメディアはこの人たちにめっちゃ愛されていますっていうブランディングをしていって、そのメディアのファンではない人でも、ファンの人たちが読んでいるならっていう信頼があればスケールも可能なんじゃないでしょうか。
河野:あとはどこまでをスケールっていうかですよね
中:同じ問題としてD2Cって誰かのペインを解決したいっていうところから起点があって、共通のペインを持っている人までにしかスケールしないっていう限界もあって、難しいところですよね。
河野:そこらへんは最近自分の中で答え出ましたね。
中:本当ですか!?
河野:今までの世の中ってスケールするためには、誰かの幸せとか成功とかを奪わないといけないっていう前提があったと思うんですよ。市場のシェアだったり、ブランドスイッチだったりを奪う必要があって、ある程度の精神的負荷を覚悟しないといけない部分がありました。
でもD2Cは原体験から共感した人だけがターゲットでスケールしにくいですけど、最近は逆にそれでいい気がしてきました。
それに最初は共感した原体験に基づく商売をして、そのあと横展開をしてもいいし、また違うペインを解決するブランドを作ることも可能で、ブランドからまた違うブランドをいくつも作っていったら結果的にスケールすることになるんじゃないかと思います。
中:そうですね、メディアのD2Cでいうと一つのメディアのユーザーが一つのペインを共通しているかというとそうじゃないと思って、違うペインと結び付けるとか横展開することによってスケールっていうのはありそうですね。
河野:質問の中で、メディアインキュベートさんがいっているユニリーバとかP&Gとかってそういう側面を持っていて、解決していたりすると思います。
中:そうですね、横の商品展開も多いですもんね。でも、この「メディアを広告モデルじゃなくしたい」っていうのは重要で、WEBメディアって広告に依存しすぎていて、日経モデル以外の購読形態ってほぼ成功してないじゃないですか。
結構ユーザーってわがままで、「広告邪魔だよね」ってなるけどそれをなくすためにお金払わない。それでPVを上げないといけないのでPV至上主義に走るんですけど、それを嫌ったユーザーがNewsPicksと日経に流れるっていうのが現状だと思うんですね。
最近だとnoteとかも課金モデルは近くて、どんどんお金を払う人と払わない人の格差が開いていって、PV至上主義のメディアからしか情報収集しないひとに二極化していくんじゃないでしょうか。
でもWEBの広告ってよくないものってわけじゃなくて、テレビのCMうざいとかいわないじゃないですか。WEBの広告だけ悪者みたいいわれるのは好きじゃないですね。
河野:WEBの広告ってGoogleで問題になっているCookieとかの広告ってパーソナライズされているのに対して、テレビとかのマス広告ってセレンディピティがあるのでそこも違いそうですよね。
でも皮肉ですけど、WEB広告が伸びたのって成果がダイレクトにわかるからで、皮肉な話がぐるぐる回っていると思います。
中:逆にターゲティングされていることによってCPMが上がってユーザー体験とメディアの収益性が全部きれいに解決できるといいですよね。
河野:いや本当にそうで、そういう方法探していきたいですよね。
中:それでいえば最近PVがしっかり出てGoogleの広告で稼げるようになって、Googleの広告でマネタイズしているメディアってPVに走りがちなんですけど、逆にSEOを強化して、アフィリエイトで稼いでいる人たちが真面目にコンテンツ作ってたりして、SEO重視のWEBメディアを運営している人たちが書籍レベルの記事作らないといけないよねっていう背景もあって面白いなって思います。一周して小手先の技じゃなくて、質の高いコンテンツを作る流れが来ていますね。
なんかすいません、D2C関係なくなっちゃって。
河野:いやいや、そこらへんはD2Cでも思いだったり原体験だったり、顧客理解だったりのテクノロジーが関係ない部分が重要になってきて、みんながテクノロジーを知ったらテクノロジー以外の部分が重要になっていっています。
気づけば50分経ってしまいましたが、最後にこの質問いいでしょうか。
「これから資金調達を求めているブランドさんにアドバイスがあれば!」
中:え、逆にどうなんでしょう。難しいですね。そんなことをアドバイスできるほど経験値がないのが正直なところで、でも投資系の業務をやるようになって思ったのは、シビアに数字を見るタイミングと、ブランドとかプロダクトとかのエモーショナルなものを見るタイミングが同時並行で走っていきます。
質問したりエビデンスを出していただいたりする中で、結構エモーショナル側の話をした直後に数字だったり法務だったりする真逆の部分に変わる時があるんですけども、エモーショナルな話に引きつられて的確じゃない返事をされることがたまにあるんですね。
そういうシーンって多いと思うんですが、その時にファイナンス面が弱い企業と思われてしまうこととかもあったりするかもしれないので、そういう時にスイッチを切り替えられたほうがいいかもしれないですね。
河野:確かにエモーショナルな部分と数字的な部分の両方の面を冷静にスイッチして話せる訓練は大事だと思いますし、心構えとして持ってほしいですね。僕も言われてそう思いました。
中:あとなんかちょっとあるのは、ビジネスモデルやプロダクトに自信を持っているか。でも自信はもっていて欲しいんですが、「自分たち無敵なんで!」って言われるとちょっと不安になるですよ。
考えてちゃんと無敵なのか、っていうのとこういう部分が弱くてとか、中長期的にはこういう面が問題になって、って弱い部分を出してくれたほうが出してくれたほうが話しやすいです。リスクを話して、そこの部分がネックになって投資をしないっていう
のはあまりなくて、逆に言うと「無敵っす!」っていうほうが大丈夫かってなるのでバランスとったほうがいいと思います。
河野:まさしく、バランスをちゃんととっていきましょうってことですよね。信頼関係でバランスっていうのは重要だと思うんで。
中:そうですし、経営者なり会社なりの足りてないところ明確だと、支援ができるところと支援しなくてもいいところ、逆に支援しなくちゃいけないところが明確になって、経営者の色で進んでいくべきところが切り分けられるので動きやすいですね。
河野さんも会社やっていて分かると思うんですけど、メンバーからいい報告しか上がってこないって怖いじゃないですか。
河野:怖いっすね。
中:いい報告しか上がってこないとグッジョブしかいえないし、逆に困っていることを手前手前で相談してくれたほうがアドバイスできるし、怖がって報告しないとかも聞くんですけど、聞いてみたらとるに足らないことだったりするので、5年10年の付き合いになるかもしれないのでざっくばらんに良いところも悪いところも知って進めていきたいです
河野:本当にそうですね。互いに人間で完璧な人間っていないじゃないですか。弱い面まで見て協力できるってことだし、信頼ってそういうものですよね。
それでは今日はありがとうございました。60分たっぷり貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございます。
本当に僕自身、バランス大事だなと思いましたし、ぜひ今日見た皆さんも今後投資家の人と話したときにはバランスを意識して頂きつつ、日々のコミュニケーションの訓練が大事だとおもうのでチャレンジしていただけたらなと思います。
お話しできて嬉しかったです、今日はありがとうございます。
というわけで、一時間たちましたので終了させていただきたいと思います。
それでは改めまして、本日はピアラベンチャーズ中さんありがとうございました。
中:ありがとうございました。
河野:それでは皆さん、また次回よろしくお願いします。