D2C事業のカスタマーサクセスとは?LINEの効果的な活用方法

D2Cブランドの運営でSNSを活用することは当たり前になっていますが、LINEの活用に関しては注力度合いに差が出てきている印象です。SNSの活用はブランドからの発信と双方向のコミュニケーションによるエンゲージメントの醸成が主な内容になっていますが、生活に入り込んでいるLINEはメッセンジャーアプリとして的確に使うことができると他のSNSとは異なる利点が出てきますので、掴んでおきたいポイントです。
今回はD2Cブランドにおけるライン活用に関してまとめてみました。

なぜD2C事業のカスタマーサクセスでLINEが有効なのか

LINE以前はこれまで郵送によるDMからメルマガに移行する動きがありました。これはユーザーの行動様式の変化により郵送よりもE-mailの方が届きやすくなった事により起きた変化ですが、この流れを汲むと今はLINEが最も届きやすいチャネルになるユーザーは非常に多い状況となります。
LINEの発表(LINE Business Guide 2022年1月-6月期)によると2021年9月末時点で人口の70%以上が利用しており、ユーザー数では国内で1番のSNSです。One  to  Oneコミュニケーションが取れたり、機種変更時も引き継がれてユーザーとの深いつながりが築きやすいなど利点があります。LINEもSMBから大手まで広くB2CにおいてLINEでコミュニケーションを取ることを後押ししているのでD2Cブランドも是非取り入れたいチャネルです、

例えば、クーポン配信だったり、AIでの応答メッセージなど、ユーザーに対して丁寧なコミュニケーションを取るための機能が充実しています。API提供であるとか、ミニアプリなど、事業上のアップデートも早いので、常にユーザーファーストで戦略を立てやすいですし、今や必須のツールといっても過言ではないでしょうか。

※総務省 「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

LINEを活用したカスタマーサクセスで目指すべきものとは

LINEを活用したカスタマーサクセスで重要なのは、ユーザーが「長期的に」その企業の商品やサービスを使いたくなるようなアプローチをすることです。商品の売り込みを優先するのではなく、あくまで顧客の役に立つための手助けをし、信頼を得ることで自社のファン化を促すことが目的です。

ECではオンラインで購買が完結する事がほとんどなため顧客との関係性が希薄化してしまいがちです。また、ユーザーの声が溜まりづらく、ニーズの把握が難しくなってきています。オフラインですと電話での注文の際にオペレーターがユーザーのニーズを聞き出して、それを集約することでユーザーの声を形にすることができていました。

LINE公式アカウントではプロモーションの発信が盛んなので、発信後、その商品に関する問合せを多くいただく点も特徴です。電話では躊躇してしまう問い合わせも、LINEであれば手軽に問合せができるという方も一定数いらっしゃり、電話では聞こえてこなかった声、重要だけど見えていなかったユーザーの声を拾うことができます。

そのため、LINEを使うことでユーザーとコミュニケーションを取ってニーズを引き出すのはもちろんのこと、接客に近いコミュニケーションが取れるためブランドに愛着を持ってもらい、エンゲージメントを高めるのに役に立てると思います。

メルマガと比べたLINEの優位性

LINEの優位性は主に3点あります。1つは購入前の離脱ユーザーに対してアプローチできる点。2つ目はLINEの開封率の高さ。3つ目はLINEを使うと購入までの誘導が比較的容易であることです。それぞれについて見ていきましょう。

LINEは離脱ユーザーに対してアプローチできる

メルマガは基本的に既存ユーザーへ向けのコミュニケーションツールです。これは初回購入時に登録するメールアドレスにメルマガ購読をするかしないかのオプトインを付けて登録につなげるため、自然と既存顧客のチャネルとなります。

一方でLINEの場合、登録が気軽なためECサイトやLPからの離脱ユーザーを見込み顧客としてLINEに誘導することができます。見込み顧客とLINE上でコミュニケーションを取り初回獲得へつなげていくナーチャリングのためのチャネルとして活用することができる点がメルマガと大きく異なる点です。

LINEの開封率は高い

メルマガ開封率に比べ、LINEの開封率は約6倍と非常に高い開封率があります。またLINEの場合、3人に1人が本文中にあるリンクをクリックするというデータもあり、LINEの効果の高さが伺えます。

一般的にユーザーとの接触回数とリピート率や購買率は比例するため、LINEのほうが購買に繋がりやすいと考えられます。顧客とのコミュニケーションを継続的に取り、ブランドのファンを育てる必要があるD2C事業者としては、とても魅力的なツールでしょう。

LINEは購入までの誘導が比較的容易

メルマガを使った購入への誘導では、開封率の低さからも分かるように、ユーザーに商品の良さを十分に伝えることは難しいです。一方でLINEを使った施策の場合、ユーザーとは気軽なコミュニケーションを取り続けることができるため、購入までの誘導が比較的容易に行うことができるという特徴があります。

コミュニケーションの方法としては、あまりに商品に対するプッシュが強すぎるとユーザーが飽きてしまい離脱につながるため、ブランドストーリーや商品カテゴリにまつわるティップス などブランドとコミュニケーションを取る理由になる発信をしていきます。そういった施策の中で購買意欲を高めて最終的に購入へ繋げることができます。

CRMでのLINEの活用方法

D2C事業でのLINEの活用方法は新規獲得と既存ユーザーに対してで大きく異なります。それぞれについて見ていきましょう。

新規顧客獲得のためのLINE活用

LINEを使った施策の場合、先ほども触れましたが離脱ユーザーを囲い込むことができます。商品購入には繋がらなかったけれども、商品に興味のあるユーザーをナーチャリング(顧客育成)し、自社の新たな顧客獲得へ繋げることができます。
離脱ユーザーでも特に悪い印象を持たずに、即決することへの罪悪感みたいなもので初回接触では離脱するユーザーも一定数います。そのためそういったユーザーには情報発信やカウンセリングや診断コンテンツなどでLINEアカウントへ登録して利用してもらうための動機をしっかりと作れるとベターです。

ナーチャリングする上で、最初からサービス色の強いメッセージが送られてきてもユーザーは引いてしまいます。そのため、登録してからはじめのうちはユーザーの役に立つ情報を配信するなど、ユーザーとの関係性を構築するようにしましょう。

関係性が段々と築けてきたら、サービス理解を深めてもらえるような内容に配信をシフトし、最終的には無料体験など、直接購入に繋がるアクションを促すのがいいでしょう。

既存顧客に対する活用方法

LINEでは顧客と密にコミュニケーションをとることが出来るため、アップセルやクロスセルを行いやすいという特徴もあります。


購入前からLINE登録していただき、新規購入に引き上がったユーザーはすでにLINEでコミュニケーションが取れているため、既存顧客となった後も引き続きLINEでコミュニケーションを取ることでアップセルやクロスセルにつなげていくことができます。

例えば届いた商品に関する説明など購入後のフォローをするなどで商品の良さを最大限に発揮していただくことで、顧客満足度を上げます。密なコミュニケーションを取ることで、よりブランドのファンになっていただきましょう。
ファンとなったユーザーに対して、アップセルやクロスセルを行うことで、LTV向上に繋げることが出来ます。

また、商品に関する感想をアンケートしたりすることで、ユーザーからの声を反映した、新たな商品の開発にも繋げることができます。また従来はコールセンターで行っていた各種問い合わせ・解約申し込みなどもLINE上で完結させることができます。

ユーザーにとってLINEは、今や当たり前のコミュニケーションプラットフォームである為、気軽に問い合わせをできるのもLINEのいいところです。また対応についても、似たような問い合わせなどは自動で返信するなどをして、業務効率を改善することもできるため活用の幅は非常に広いです。

LINEを活用した施策例

新規顧客獲得へ向けたLINE上での施策

LINEを活用した場合も他の媒体と同様に目標に向けた戦略の立案と、それを実行する運用が重要です。最初から充分な数字が出ることはまれなので、PDCAを回しながら、より良い顧客との接点を探っていきます。

また、デジタルチャネルをフル活用したD2Cの最大のメリットでもありますが、施策がうまくいかなかった場合すぐに次の施策を打つことができます。施策を何度も打つことでより顧客に愛されるブランドへと育てることができます。

一般的に広告のリターゲティングは、広告を表示させる頻度や広告を再表示させるまでの間隔に注意しながら広告を出すのですが、LINEも基本的な考え方は同じです。何が原因で買わないのか、何が足りないのか(離脱の要因)というところから考え、改善していきます。LINEからフィードバックされるデータをもとに、離脱した要因を分析しながら施策を打ち続けることが大事です。

既存顧客へ向けた施策

これからのマーケティングでは、1対1のコミュニケーションの重要性がより増していきます。誕生日のメッセージ配信や、購入履歴に基づいたレコメンドの配信などにより、LTV向上が見込めます。

今後の買い物体験では、「買い物前」「買い物中」「買い物後」の各段階でユーザーとのコミュニケーションが発生し、購買情報が蓄積されることでよりパーソナライズされていきます。

一律でタイムセールを行ったり新商品の紹介をする場ではなく、顧客の満足度を向上させるために、ブランドのファンを育てる場としてのLINE施策が欠かせません。闇雲にセールスを行うのではファンが離れてしまうので、顧客視点に立ちどんな課題を抱えているのかというニーズをしっかりと掴むことが重要です。

顧客の課題を調査するために、診断などのコンテンツを用意したりアンケートから直接顧客の声を聞くのも有効でしょう。こういった密なコミュニケーションにより新しい購入体験としてのLINE施策はD2Cブランドを確立するために有効な手段となります。

より詳しくお話聞きたいという方は是非ご連絡ください。
https://twitter.com/you8naka
https://piala.vc/contact.php
TwitterのDMでもサイトの問い合わせフォームでもどちらでも大丈夫です。